脱退一時金制度を解説します

脱退一時金制度とは？

日本の年金制度に加入していた外国人が日本を離れ、年金受給資格を得る前に日本を出国した場合、一定の条件を満たすと「脱退一時金」を受け取ることができます。これは日本で支払った年金保険料の一部を払い戻す制度です。

受給資格

脱退一時金を受け取るための条件は以下の通りです：

1. 日本に住所がない：請求する時点で日本に住所がないことが必要です。国籍も有していない。
2. 年金保険料の支払期間：国民年金または厚生年金保険に加入していた期間が6ヶ月以上であること。
3. 年金受給資格がない：日本の年金を受け取る権利を有していないこと（通常、加入期間が10年未満の場合）。
4. 請求期限：日本を出国した日から2年以内に請求すること。

支給額

支給される金額は、年金保険料の支払期間に応じて決まります。厚生年金の場合、過去の標準報酬月額や保険料納付期間に基づいて計算されます。

請求手続き

1. 書類の準備：
   • 脱退一時金請求書：日本年金機構のウェブサイトからダウンロード可能です。https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/todokesho/sonota-kyufu/20150406.html
   • パスポートのコピー：日本出国時のスタンプが押されているページを含む全ページのコピー。
   • 年金手帳：年金手帳のコピー。
   • 振込先口座情報：脱退一時金を受け取るための銀行口座情報。口座は日本国外の銀行でも構いません。
2. 書類の提出：
   • 上記の書類を揃えて、日本年金機構の指定の住所に郵送します。
3. 審査と支給：
   • 日本年金機構が書類を受け取り、内容を審査します。審査が完了すると、指定した銀行口座に脱退一時金が振り込まれます。通常、手続きには数ヶ月かかることがあります。

注意点

• 一時金の受け取り後の資格喪失：脱退一時金を受け取ると、それまでの年金保険料納付期間はすべて消滅します。そのため、再度日本に戻って年金制度に加入する場合、以前の納付期間は計算に含まれません。
• 税金の影響：脱退一時金には所得税が課される場合があります。受け取り後に源泉徴収されることが一般的です。

まとめ

脱退一時金制度は、日本で働いていた外国人が帰国後に年金保険料の一部を払い戻し受けるための制度です。受給資格や手続きに関する詳細は、日本年金機構のウェブサイトで確認できます。適切な手続きを行うことで、帰国後に払い戻しを受けることが可能です。